2025.04.16
インプラント周囲炎ってご存じですか?
こんにちは、院長の喜島です。
今回は、メインテナンスの期間が空いてしまってインプラント周囲炎になった症例をお伝えします。
●レントゲン写真比較 女性 左下奥歯のインプラントの違和感で来院

上記のレントゲンの黄色の矢印部分が3年の間にインプラント周囲炎が局所的に進行しています。
患者様は3年間メインテナンスを中断されていました。
インプラントは歯周病と同じようにプラーク(歯垢)が原因で起こる細菌感染症です。
一般的なインプラント周囲炎の原因としては以下の要因があります。
1. 口腔衛生管理の不十分
• ブラッシングの不足や不適切な方法: インプラント周囲のプラーク除去が不十分な場合、細菌が繁殖しやすくなります。
• デンタルフロスや歯間ブラシの使用不足: インプラント周囲や歯とインプラントの間に付着したプラークを効果的に除去できないと、炎症が進行しやすくなります。
• 定期的な歯科検診の受診不足: 歯科医師による専門的なクリーニングを受けないと、自宅でのケアでは落としきれない歯石が蓄積し、炎症を悪化させる可能性があります。
2. 患者側の要因
• 喫煙: 喫煙は、血流を悪化させ、治癒を遅らせるため、インプラント周囲炎の進行を加速させる可能性があります。
• 糖尿病: 糖尿病は、免疫機能を低下させ、感染に対する抵抗力を弱めるため、インプラント周囲炎のリスクを高めます。
• 全身疾患: その他の全身疾患も、インプラント周囲炎の進行に影響を与える可能性があります。
3.その他
• 歯ぎしり: 歯ぎしりは、インプラントに過度の力がかかり、インプラント周囲の組織を損傷させる可能性があります。
• 口腔乾燥症: 口腔乾燥症は、唾液の分泌量が減少し、自浄作用が低下するため、細菌が繁殖しやすくなります。
例えメインテナンスに来院されてなくても3年という比較的早い段階での局所的な進行には何らかの変化による原因があります。
今回の患者様では丁寧なカウンセリングの結果、上記に加え以下の要因が有ると考えられました。
・心因的ストレスで歯ぎしりが増大
・更年期障害で口腔内が乾燥しがち
・体調の変化により、今までの生活習慣での口腔ケアでは不十分になった。
今回は、残念ながら左下奥歯のインプラントは自然脱落してしまいました。(黄色の矢印部分)
いずれにせよ、歯科医院での定期的なメインテナンスを行っていると、症状が進行する前に何らかの対処ができます。
気になることがあれば早めに受診をお勧めします。
生涯を通じて自分の歯で噛むためにも定期的なメインテナンスは大切です。
ムシ歯や歯周病は治る病気ではありません。
近年は、人生100年時代といわれています。
お口の健康は、寝たきりや認知症にもならずに健康寿命を伸ばすことにも繋がります。
ムシ歯や歯周病の処置をした後も、元々歯が健康な方も、定期的受診とメインテナンスでお口の健康を維持していきましょう。
きじま歯科医院はあなたの歯を守り快適な食生活を送れるようお手伝いさせて頂きます。
〈院長:喜島〉
吹田 きじま歯科医院