インプラント周囲炎の症例

こんにちは、院長の喜島です。
今回の症例はインプラント周囲炎の症例を紹介致します。
インプラント周囲炎はインプラントの周りに起きた細菌感染で簡単に言えば天然歯の歯周病がインプラント体の周りにおきた状態といえます。

弘岡 秀明、石川 基 (2010)インプラント周囲へのプロービングを再考する5
エピローグ 歯界展望 116-6, 1058-1073.から引用
インプラント周囲炎が発症して進行するとインプラント体の周りの骨がなくなって、やがてインプラント体が骨から離れてしまいます。
進行しすぎたインプラント周囲炎は、インプラントを除去して再埋入した方が、予後が良い場合もあります。
今回はそのような症例を紹介します。
この患者様は他院で埋入した右下奥のインプラント部の違和感を主訴に来院されました。

初診時レントゲン写真 20160914        初診時口腔内写真
インプラント体の周囲の骨が炎症でなくなっています。
重度のインプラント周囲炎で歯ぐきの腫れと排膿もありインプラント体は残すのはできなかったので除去しました。
その後、口腔内の歯周初期治療を行いながら、インプラント除去部の治癒経過も観察していきます。

CT写真
インプラント除去部の治癒も良好だったので、約3ヶ月後にCTを撮影してインプラントの診断をしました。
CT診断ではインプラント埋入部の骨の状態を診断しながら、埋入するインプラントを設定します。このCT像でインプラント埋入可能の診断ができました。

インプラント術後レントゲン          口腔内写真20170222
インプラントを埋入しました。

3ヶ月後のにオステルISQアナライザでISQ値を測定しインプラントが骨にしっかりと固定されているのを診断します。右下奥に埋入したインプラントのISQ値は85で高い安定性を示していましたので、インプラント上部の被せ物の作製に入って行きます。

術後レントゲン写真              術後口腔内写真
型を採りインプラントが入りました。

初診時レントゲン写真                初診時口腔内写真
下の初診時の写真と比較するとインプラントを新しく埋入した部位の周囲の骨が回復しているのが確認できます。当然、初診時にあった歯ぐきの腫れや排膿もありません。
今回の症例ではインプラントを除去してから骨の再生療法をおこない、インプラント体をいれて最終のかぶせ物をするまでに10ヶ月の期間が必要でした。インプラント周囲炎が進行してインプラントを失っても1年たらずで最終の被せ物ができたのは比較的早いと思います。
この患者様は、今も定期的にメインテナンスにこられ快適な食生活をすごされています。
きじま歯科医院では皆様の生涯を通じて快適な食生活を過ごしていただき、お口の健康に貢献していくことを目指して日々、努力し向上していきます。
健康な歯や治療した歯もあわせてお口の健康を守り続けるためにもぜひ定期的なメインテナンスを続けて下さい。
<院長:喜島>

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