2025.10.22
あごを動かす「咀嚼筋」ってご存じですか?
~痛みが出たときの歯科での治療について~
こんにちは、院長の喜島です。
食べ物を噛んだり、話したり、口を大きく開けたりするとき、
あごの周りには「咀嚼筋(そしゃくきん)」という筋肉が働いています。
今回は、咀嚼筋の種類と、開口・閉口運動でどの筋肉が使われるのか、
さらに痛みが出たときの歯科での治療についてご紹介します。
🔹 咀嚼筋の種類
咀嚼筋は、主に以下の4つで構成されています。
• 咬筋(こうきん)
• ほほの横にある強い筋肉
• 噛みしめると硬くなる部分
• 主に口を閉じる動きを担当
• 側頭筋(そくとうきん)
• こめかみ部分に広がる扇形の筋肉
• 口を閉じるとき、特に奥歯で噛む動きで働く
• 内側翼突筋(ないそくよくとつきん)
• 下あごの内側にある筋肉
• 咬筋と連動して、あごを閉じたり、噛みしめたりするときに働く
• 外側翼突筋(がいそくよくとつきん)
• 顎関節の近くにあり、左右・前後に動かす役割
• 主に口を開く、前に出す、左右に動かすときに活躍
🔹 開口運動と閉口運動で働く筋肉
• 口を開ける(開口運動)
外側翼突筋が主に働き、あごを前方・下方に動かします。
補助的に、首の筋肉(顎舌骨筋や顎二腹筋)も協力します。
• 口を閉じる(閉口運動)
咬筋、側頭筋、内側翼突筋が協力してあごを上に引き上げ、歯を噛み合わせます。
🔹 咀嚼筋に痛みが出る原因
• 強い噛みしめや歯ぎしり
• 長時間の緊張(ストレスや食いしばり)
• 噛み合わせの不具合
• 顎関節症による筋肉の負担
これらが続くと、咀嚼筋が疲れて硬くなり、口を開けにくい、あごが痛い、
音が鳴るなどの症状が出ることがあります。
🔹痛みが出たときの歯科で行う治療法
• マニュピレーション(徒手療法)
• 歯科医師が指や手であごをやさしく動かし、関節や筋肉の動きを改善する方法
• 開口制限や筋肉のこわばりをほぐす効果があります
• スプリント療法(マウスピース)
• 就寝時にマウスピースを装着し、噛みしめや歯ぎしりを緩和
• 筋肉や顎関節への負担を減らします
• 理学療法(温熱・マッサージ)
• 温めたり、マッサージすることで血流を改善
• 筋肉の緊張や痛みを和らげます
• 咬合調整や矯正治療
• 噛み合わせの不具合がある場合、調整や矯正で改善を図ります
✅ まとめ
• 咀嚼筋は、噛むだけでなく口を開く・閉じる・動かす大事な筋肉です
• 外側翼突筋は「開く」、咬筋・側頭筋・内側翼突筋は「閉じる」と覚えるとわかりやすいです
• 痛みや開けにくさが出たら、歯科医院でマニュピレーションやマウスピース療法で改善できます
気になる方はお気軽のご相談下さい。
きじま歯科医院はあなたのお口の健康と歯を守り快適な食生活を送れるようお手伝いさせて頂きます。

〈院長:喜島〉
吹田 きじま歯科医院