今回は、成人矯正の話しです。
転んで前歯をケガした症例です。
初めは、他院を受診し、上顎前歯4本を抜歯して、インプラントをいれる治療を提案されました。
抜歯後はインプラントをいれて被せをするが、歯のスペースの関係上、歯は小さくなるといわれた、との事です。
患者様は前歯を抜くのは勇気が要ることなので、前歯を抜かずになんとかならないかとの希望もあり、今回の件で歯並びも気になりだしたと言うことで、矯正を含めた治療プランを立てました。
お口の中は、上下の前歯が”乱ぐい歯”になっており、歯が並ぶスペースが無い状態でした。
歯の型を採って診査したところ、前歯は抜かずに左の上下の第1小臼歯(糸切り歯のひとつ後ろの歯)を抜歯すれば、綺麗に歯が並ぶことが分かりました。
当院では矯正治療と矯正後の上顎切歯の補綴のプランを選択されました。
患者様は当院のプランを選択され、治療を開始することになりました。
初診時 転倒で前歯を打った衝撃で、上顎切歯の神経が壊死して歯ぐきが膿んできています。
矯正開始:上顎切歯の根っこの治療をが終了し、歯周治療で歯ぐきが改善してから矯正治療を開始しました。
左上下の第1小臼歯は、矯正治療のため抜歯済みです。
矯正開始5ヶ月後:奥にあった左上の前歯が徐々に前に出て来ました。
矯正開始7ヶ月後:徐々にワイヤーを太くして歯を並べていきます。
矯正開始10ヶ月後:最終段階のワイヤーに変更 ほぼ歯が並んできました。
矯正開始11ヶ月後:矯正終了、患者様が歯並びに満足され装置をはずしました。抜歯した左上第1小臼歯のスペースが少し残っています。
矯正開始17ヶ月後:矯正も終了の半年後です。上顎前歯も被せが入り治療終了です。抜歯した左上第1小臼歯のスペースは閉じてきました。
矯正治療も1年弱で終了し、初診時から約2年で治療終了できました。
全顎矯正も含めた治療としては早く終われて良かったです。
患者様も喜ばれて、メインテナンスで今も健康な状態の歯を保たれて、快適な食生活を送られています。
インプラントや被せだけで無く、矯正治療も含めた総合的な診断が功を奏した症例でした。
<院長:喜島>