今回は、上の前歯の部分を審美的に改善した症例を提示します。
術前の写真では、左右の歯茎のラインに差があります。
加えて、虫歯が深かったこともあり、この歯の長期的に残していくための可能性を少しでも上げるために歯茎の小手術を行いました。
具体的には、歯茎を切り、その下にある骨を少し削る手術になります。
少し難しい話になりますが、歯茎の約3mm下には歯を支えている顎骨(骨)があり、
骨の位置により、歯茎のラインが決まります。(勿論、骨は直接、口の中から見えませんが・・・・)
これを利用すると、骨を削り、骨のラインを修正すると、それに合わせて歯茎のラインも変化してくれます。(骨のラインにより歯茎のラインも決定されます)
手術後1ヶ月では、まだ歯と歯の間に隙間ありますが、2ヶ月経過すると、歯の間の隙間は埋まってきています。(歯茎は生体の中でも再生能力が高い組織の1つです)
術前後で左側の歯茎のラインが変化しているのが分かるかと思います。
手術では、歯茎を切り、縫合(糸で縫う)するので、手術当日は多少痛みもありますが、
侵襲がそれほど高い手術ではないため、術後の痛みは軽度で済むことが殆どです。
抜糸を術後10日~2週間で行った後は、治癒を待つだけになります。
今回の症例では前歯でしたが、前歯だけでなく奥歯でも適応可能な処置になります。
<歯科医師:安藤>
審美性だけでなく、歯を残すために様々な処置があることを知っていただければ幸いです。