こんにちは、院長の喜島です。
今回は、小さい虫歯の治療について紹介致します。
歯科の世界では歯を残すことを歯科保存治療といいます。
歯科保存治療とは、歯を抜くことなく、いつまでも自分の歯で噛めるように治療を行い、大切な歯を口の中に維持、保存し機能させていくことを目的とした歯科の一分野です。
小さい虫歯の治療では、歯や歯の神経への刺激を最小限に抑え、本当に悪くなったところだけを削除して修復します。
この、歯や歯の神経への刺激を最小限に抑え治療法のことをミニマルインターベーションといいます。
ミニマルインターべーション(以下MIと表記)とは、
簡単に言えば、多くの人に見られる虫歯について歯と歯の神経を守る為の考え方です。
日本では、日本歯科保存学会が「う蝕治療ガイドライン」としてMIの概念に則って定期的に歯科臨床医療の変化に応じて4〜5年ごとに更新発刊しています。
現在は、第3版が発表されています。
MIは2002年(平成14年)にFDI(国際歯科連盟)がその概念を提唱しました。
その基本的な考え方は5つ有ります。
①口腔細菌叢の改善
難しい言葉ですね。つまりムシ歯は細菌感染でおこるので、その細菌を減らす事です。
方法としてはプラークコントロールや定期的なメインテナンスがあります。
②患者教育
患者様にムシ歯の成り立ちを説明し、食事指導や口腔清掃指導を通して自らもムシ歯のリスクを減らす必要があることを説明する事です。
③エナメル質および象牙質のう蝕でまだう蝕を形成していないう蝕の再石灰化
初期ムシ歯にフッ素塗布などをして、再石灰化を促すことです。
④う窩を形成したう蝕への最小の侵襲
ムシ歯になった歯を最小限に削ってつめ物で詰めることです。
いろんな方法がありますが今後もいろんな臨床研究がされていきます。
⑤欠陥のある修復物の補修
ムシ歯は一度治療しても再び進行するときがあります。
その場合に新しく処置する場合もあれば部分的の補修をするのも選択肢です。
以上がMIの考え方です。
当院でメインテナンスを定期的に受けている患者様でも、小さなムシ歯が見つかるときがあります。
その時は、上記の ”④う窩を形成したう蝕への最小の侵襲” に則って治療します。
例えば
小さなムシ歯があります。
↓
最小限に削ってムシ歯を除去しました。
↓
樹脂で詰めて終了です。
小さなムシ歯なので一度の治療ですみます。
ムシ歯は放置していれば、歯の神経まで達してしまいます。
定期的なメインテナンスを受けていれば、ムシ歯の早期発見で簡単に処置できますね。
きじま歯科医院ではMIの概念に則って処置をしています。
皆様のお口の健康を守るためにも定期的なメインテナンスをお勧め致します。
<院長:喜島>
吹田 きじま歯科医院
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