小さい虫歯だと一回の治療で削って埋めて終わりとなります。
ですが、虫歯が神経まで到達してしまうと途端に治療回数は激増してしまいます。
それはなぜかというお話を今回はさせていただこうと思います。
それは歯の外側を削るのか、歯の内側を削るのかという違いになります。
虫歯は細菌が引き起こすものなので、治療というものは細菌に感染された歯を削るということになります。
小さい虫歯(歯の表面の虫歯)であれば、そこを削るだけですのですぐに治療は終われるのですが、神経にまで到達した虫歯は歯の内側を削らなければなりません。
それだけなら簡単に終わりそうなのですが、表面とは違う部分があります。
それは神経が入っていた内側の管は木に例えられるような複雑な形をしているからです。
木とは太い幹があって根っこは網目状に複雑な形をしています。
歯の神経も同じような形となっています。
歯の頭に近い部分は太い幹なので簡単に削れるのですが、根っこの先に行くほど細い神経の管が網目状に無数に広がっています。
これを一本一本削るのは不可能なので薬を使って殺菌していくことになります。
この作業が回数のかかる原因となっています。
これを何回か繰り返し歯の内側の殺菌が確認されたら最終的なお薬を入れ、あとは埋めるのと同じように歯の頭の部分を作っていくことになります。
こうした神経が入っていた管の中の形の違いが治療回数の大きな差となっています。
痛みがあって治療を開始しても数回で痛み自体はなくなることが多いですが、中はまだ細菌が多くいるような状態が続いています。
痛みがなくなったからといって治療を中断してしまうと、せっかく少なくなってきている細菌がまた増えてくるような状態となってしまうので回数はかかってしまいますが最後まで治療を続けましょう。
<歯科医師:川島>