「角化歯肉」の再生

こんにちは、院長の喜島です。
今回が 「角化歯肉」についての最終回です。

上顎前歯部の歯を抜歯した後に、インプラントを埋入する予定の症例です。
第1回目でもお伝えしましたが、歯を抜いた後の歯肉が治っていく場合、ある程度の顎の骨がやせて少なくなる「骨吸収」という現症がおきます。
そして、「骨吸収」が大きいときには歯肉の硬い部分の「角化歯肉」も少なくなり、歯周病が進みやすくなります。
今回の症例では、インプラントをいれた後に被せをいれるので、その後の予後で、「角化歯肉」が少ないと、「インプラント周囲炎」が起こりやすくなってしまいます。

下の写真の症例では、上顎前歯部を抜歯した後の骨がやせて、「角化歯肉」幅も顎の骨の幅も少なくなってしまいました。
この部分に、このままインプラントをいれて被せを作っても、「インプラント周囲炎」になるリスクは高くなり、また何よりも歯肉が少ないので最終的にいれる被せも細長くなってしまい仕上がりの審美性も悪くなってしまいます。

そこで、今回はインプラントオペに入る前に、上顎前歯部の骨を再生する”GBR”という骨再生療法を行いました。
処置前の写真の歯肉の幅が処置後10日経過目の写真では、広くなっているのがわかります。(写真の青い線の部分)

このように、骨を再生して増やす準備をすることによって、その部分の「角化歯肉」の幅も同時に増やしていきます。
ちなみに、歯肉の新陳代謝は5日間、骨はその40倍の200日かかると言われています。
骨の再生は、歯肉の再生に比べてゆっくりなので最低でも4ヶ月以上は治癒を待っていたいです。
まして、再生した骨を含む部位にインプラントを入れる事になるので6ヶ月から1年は経過をみていたいです。
その方が、骨もしっかりと再生します。
以上、「角化歯肉」の再生から、最後はインプラント症例だったので「骨の再生」までの話になってしまいました。
この症例は、まだ途中なので、また機会があれば経過をお知らせ致します。

ちょっと、専門的な話になりましたが、きじま歯科医院では、外科的な症例も含めて審美的な回復を目指して治療プランを立てることができます。
患者様の希望を聞き入れるカウンセリングもありますので、歯でお困りの方はご相談下さい。

<院長:喜島>

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