子どものごほうびについて📚

皆さま、こんちには。
歯科衛生士兼カウンセラーの宮岡です。
きじま歯科医院では無料の託児施設があり、ご家族で通院していただき、お子さまの患者様も多い医院です。
当院ではお子さまの歯の治療や定期検診の最後に、ごほうびをさせていただいています。
例えば、治療や定期検診が最後までできたお子さまにはキャラクターシールかバルーンアートをごほうびとして持って帰ってもらったり、定期検診でむし歯がなかったお子さまにはごほうびのお写真を撮って次回お渡しさせてもらったりしています。

今回はてぃ先生のまるばつ図鑑から「ごほうび」についてご紹介したいと思います。

皆さまはごほうびというとどんなことを思い浮かべますか。
相手が誰であるかによっても変わってくると思いますし、何なのか、どう渡すのか…ごほうびの方法は様々です。
例えば、「テストで100点取れたら、ゲームを買ってあげる」」「お手伝いをしたら100円あげる」これもごほうびになります。

そして、ごほうびの効果はあげ方で大きく変わるといいます。
何かというと心理学の研究でごほうびによって、逆にやる気をそいでしまう場合があることがわかってきたとのことです。
スタンフォード大学の博士のある実験があります。
子どもを3グループに分け、
① 「上手にお絵かきできたらごほうびをあげる」と事前に伝え、後でごほうびをもらったグループ
② ごほうびの存在は隠したままお絵かきをして、終わった後に「実はごほうびがある」とサプライズでごほうびをもらったグループ
③ ごほうびがあることを伝えず、ごほうびをもらわなかったグループ

さて、その後もお絵かきを楽しんでおこなったグループはどれでしょうか。

正解は②と③のグループです。
ごほうびをあげるにしても、サプライズがいいということです。

一方、①のグループは、その後は今までの半分の時間しかお絵かきを楽しまなかったそうです。
その理由はごほうびが目的となってしまったからです。
その結果、当初の行動に対して興味や関心が失われてしまい、逆にやる気が下がったり、努力ができなくなる可能性があります。
これをアンダーマイニング効果と言い、過正当化効果ともよばれます。
社会人であれば「役に立ちたい」「達成したい」という行動したことに対して、「報酬を与えられる」「圧力をかけられる」などにより、やる気が削がれてしまう心理現象です。
その結果、行為の目的が「やりがい」ではなく「報酬」に変化してしまいます。

人は本来、自ら行動したいという欲求を持っているのですが、他人からの評価や報酬が目的に代わってしまうと自分で決定できるという感覚や効果的に対処できる能力が低下していまいます。

つまり、おこさまが指示待ち人間になりやすいと言うことです。
ではやる気を下げないために何が大切かといと、結果より過程(プロセス)です。

違う研究によると、過程や努力に対してほめたりごほうびをあげると、やる気がアップすることがわかっています。
例えば、お片づけや宿題です。
グループ①のように「やったらあげる」ではなく、「お片づけをがんばっていた姿が素敵だった」「宿題に一生懸命取り組んでいるのがよかった」など努力や取り組む姿勢をほめ、それに対してグループ②のようにサプライズでごほうびをあげたりします。
ごほうびはもちろん欲しがっていたおもちゃやお菓子でもよいそうです。
ただ、物はもらったら終わりになりがちです。
グループ③のようにごほうびがなくても「がんばっていて、とても素敵だった」「努力している○○くん、かっこよかった」といった言葉はずっと心に残っています。
そして、それはそのお子さまの支えになっていくのではないでしょうか。
私たちも歯科医院でそういった言葉をたくさんかけていきます。
そして、お子さまにとってお母様やお父様は何よりも特別な存在です。
そんなお母様やお父様に声をかけてもらえたら、自分の思いのままにチャレンジし、成長していけるのではないでしょうか。

<歯科衛生士兼カウンセラー:宮岡>

吹田 きじま歯科医院

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